防大の学生綱領は今でも自分の中にあるか

防大には8期生と9期生の大先輩が定めた学生綱領というものがあります。入校すると暗誦させられて、嫌でも覚えてしまう学生綱領。退校して20年以上になりますが、今でも自分自身に問いかけることがあります「学生綱領の精神は、今のお前の中にあるのか?」。

国家防衛の志を同じくしてこの小原台に学ぶ我々は、我々の手によってこの学生綱領を定めた。

~中略~

1 廉恥

1 真勇

1 礼節

4年生に叱られる時も学生綱領を引き合いに出されます

入校したての頃は、学生綱領を覚えていない事で叱られる場面が結構ありました。覚えてしまえばOKかというと、今度は実践できていないと叱られます。どんな風に?こんな風にです

4年生:「靴は磨いたのかっ!」

1年生:「はいっ!」

4年生:「じゃあこの靴のくすみは何だっ!これで磨いたと言えるのかっ!」

1年生:「いいえっ!」

4年生:「さっきは磨いた、今度は磨いてないと言う。それを嘘と言うんだっ!

嘘をつくのは、廉恥、真勇、礼節が出来ていないからだっ。

嘘をつくことが恥ずかしいと思わない破廉恥な心であり、

本当のことを言えないのは真の勇気がない臆病者であり、

上級生に嘘をつくのは礼節がなく失礼である。」

と、まぁこんな感じで叱られちゃうのです。「いやいや、それを嘘って言われてもな~」とは思うのですが、絶対に口に出しません。というより、叱られている時は基本的に「はい」と「いいえ」でしか答えてはいけないのが1年生。さすがに、最初の質問に「いいえ」と答えられるわけがありません。この場合の正解は、全て「はい」です。

上級生から見て不備な部分であっても、その時の自分としては全力でやった結果なので、何と言われても「はい」で通すのです。結果的に、やり直して再点検を受けることになるのは同じなのですが、余計な「いいえ」のおかげで学生綱領を引き合いに出されたりします。

そもそも学生綱領冒頭の精神は持ち合わせていなかった

入校して暗誦させらた時点で「?」とは思いました。「国家防衛の志」がゼロとは言わないけど、「同じくして」という程に持ち合わせている訳じゃない。

こちらの記事でも書きましたが、そもそも防大に入校したのは、厳しい環境に身を置いて自分を変えたかったという自分勝手な思いが最も大きかったのです。

同期の全てが、国家防衛の志がいっぱいであったとは言いませんが、みんなそれなりに意識は持っていました。私はその意識が断トツで低かったように思います。

今の自分に学生綱領の精神はあるのか?

防大に在校中は、学生綱領の冒頭部分には違和感を感じていました。退校して後、「廉恥」「真勇」「礼節」の言葉を思い出すことがあります。

知らないことを知らないと言えないのは恥ずかしいことじゃないのか?

出来ないことを出来ないと認められないのは真の勇気がないからではないのか?

過ちを認め謝ることをせず、ごまかして嘘をつこうとするのは礼節が足りないからではないのか?

年齢を重ねると、知らないと言えなくなり、出来ないと認めるのがカッコ悪いと思ってしまい、ごまかしや嘘が上手になってしまいます。

自分に「廉恥」「真勇」「礼節」があると思うと、他人にもそれを求め厳しくなってしまう。自分は、まだまだ破廉恥で臆病者の失礼な人間だと思うところからスタートするくらいで、ちょうどよい感じだと思います。

卑屈になれと言っているわけではありません。傲慢にならず、謙虚に自分自身を俯瞰すれば、次に進む道も見えてくるでしょという事です。

では、また

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