同じ家庭で育っている兄弟姉妹でも、人はぞれぞれ違う。そんなことは、わかっていたはずです。初めてのつかまり立ちや言葉らしきものを初めて発した月齢が、全て違っていたことを当たり前に受け止めていましたよね。
お子さんたちが少し成長して幼児期になると、そんなことも忘れてしまったのですか。
娘さんは、3歳の頃に子供用のお箸を使えるようになった。だから、4歳になる息子さんのトレーニング用のお箸(エジソンのお箸)が折れた機会に、普通のお箸に切り替えさせようとした。あなたの中に、子供たちを比べる気持ちが全くなかったと言い切れますか。
お姉ちゃんと比べられている空気を、息子さんは敏感に感じたのではないですか。結果、息子さんはトレーニング用のお箸を卒業するための練習をする気になれず、全く同じお箸を買うハメになってしまったのですね。
「人はそれぞれ違う」と分かっていたはずです
幸運にも子供を授かり、成長する姿をずっと見てきましたよね。子供たちがもっと小さい乳児のころには「人はそれぞれ違う」と、肌感覚で分かっていたはずです。姉弟であっても、性格や好み・成長するペースが違うのだと感じ取れていましたよね。
初めて寝返りをした時や、初めてハイハイで前に進めた日。テーブルの端につかまって、震える足で嬉しそうに立って笑っている姿。日本語にはなっていなくても、初めて言葉を発した時の喜び。
娘さんと息子さんでは全て違う月齢であったことを、経験してきたはず。幼児期に成長して、うるさいほど話したり走り回るようになると、過去の娘さんと今の息子さんを比べようとしていましたね。
兄弟姉妹と比べられるのは嫌ですよね
息子さんは4歳になった今でも、トレーニング用のお箸を卒業する気が全くない。娘さんはもっと早くに、お箸が使えるようになったのだから、息子さんもお箸の練習をやらせたいと考えたのでしょう
でもそれは、誰のためなのですか。「そろそろ子供用のお箸を使えるようになって欲しい」という、あなたの願望を叶えるためではないですか。息子さんの気持ちを思いやってあげることは、できていましたか。
兄弟姉妹の間で比べられるのが嫌だということは、兄弟のいるあなたであれば身をもって分かっているでしょう。
あなたの中にある、娘さんと息子さんを比べる気持ち。ほんの少しだったかもしれませんが、その気持ちを息子さんは感じとってしまったので、お箸の練習を拒んだのではないですか。「お姉ちゃんと比べられている気がして、嫌だ」と。
息子さんには彼のペースがあります
あなたが「そろそろ息子さんにお箸の練習をしてもらいたい」と思うのは、悪いことではないでしょう。けれど、トレーニング用のお箸が折れた機会を利用して練習させようとしたのは、タイミングが良くなかった。
息子さんは、そのお箸を1年以上使っていたのですよね。保育園にも毎日持って行き、家でも楽しくご飯を食べていた、愛着のあるお箸です。そのお箸が折れてしまって悲しい思いをしている時、すぐにお箸の練習ができると思っていたのですか。
焦ることはないのです。保育園のお友達の中には、トレーニング用のお箸を卒業した子がいます。心配しなくても、そのうち自分からお箸の練習を始めます。小学校に入るまでに、トレーニング用のお箸を卒業できれば十分です。
姉弟といえども、娘さんと息子さんは違います。比べることに意味はないし、比べられると嫌な気持ちになってしまいます。
息子さんには、彼自身のペースがあります。娘さんと比べるのではなく、彼自身をよく見てあげてください。親であるあなたのペースではなく、彼のペースを待ってあげてください。
お子さんたちが生まれてから今までの写真を過去から順番に見直し、初心を思い出すことを強くおススメします。お互い、父親として精進しましょう。
では、また