教えるのではなく問いかけることで子どもたちのやる気を引き出し、考える力をはぐくむ「しつもんメンタルトレーニング」を考案した藤代圭一さんの著書「スポーツメンタルコーチに学ぶ!子どものやる気を引き出す7つのしつもん」を読みました。
スポーツメンタルコーチである藤代さんとして書かれているので、子どものスポーツを題材にした内容になっていますが、子育て全般に通じる大切な心構えが分かりやすく書かれた本だと感じました。
どんな本なのか
この本は、7つの章で構成されています
第1章 “しつもん”ですべてが動き出す
第2章 しつもんで変わる子どもたち
第3章 子どもがやる気になるしつもん
第4章 子どもの良いところを引き出すしつもん
第5章 子どもの成長を促すしつもん
第6章 親が変われば子どもは変わる
第7章 なりたい自分になる“みらいしつもん”
各章の冒頭は、読者に対する“しつもん”が右側のページ、左側のページにしつもんの補足説明という見開きで始まります。冒頭のしつもんにどのような目的や役割があるのかを、各章の本文で具体的な例えを使って説明してくれています。
本のタイトルからは、子どもに対してどのような「しつもん」をすれば良いのか書かれた本だと想像してしまいますが、実際は違います。子どものやる気を引き出すために、親やコーチがどのような「心構え」や「問いかけ」をした方が良いのかを書いた本なのです。
親としての期待を押しつけてはいないか
ここからは読んだ後の感想になります。
読んでいて、子どもが生まれてきた時のことを思い出しました。カミさんのお腹がどんどん大きくなり、予定日が近づいていたあの頃。何を思っていたでしょう。私は
「無事に生まれてくれて、元気に育ってくれたらそれだけでいい」
と思っていました。子どもが生まれた時には、「親になった!」という実感ではなく、「親になったんだな~」というフワ~っとした感覚でした。
それでも、子どもが成長してくると何かと期待をしてしまっています。食事のマナーやおもちゃの片付けなどの躾が必要なのは確かですが、どこかで「やらせよう」としている自分がいました。
将来、人前で恥ずかしい食べ方をしてもらいたくない。出したモノが片付けられない人になって欲しくない。当たり前のことに思えますが、子どもに伝わるような言い方や、やり方ができているのだろうか。
ただ、親としての自分の期待や正しさを押しつけているだけになっていないか。WHY?(なんで?)で追い込むのではなく。HOW?(どうしたら?)で問いかけているか。分かっているつもりだけど、ついつい追い込んでしまう自分がいました。
同じことであっても、その時の状況や子どもの状態を観ようとすれば、伝え方はいつも同じとは限りません。子どもができる時や自分からやる時と、できない時や言われてもやらない時では、何かが違うはずなのです。
できないこと、欠点に目がいきやすいのが人間です。子どものできること、できたことに意識を向けて観れば、生まれてから数年でたくさんのことができるようになっているのです。
p90 第4章の冒頭のイラスト
子どもの成長に置いていかれないために
これからも、どんどん子どもは成長していきます。できることや挑戦することも増えていくことでしょう。
本当の応援とは「見返りを求めない」ものなのかもしれません
p198 「おわりに」より
子どもの人生は子どものものです。親である私の人生ではありません。子どもが自分の足で歩んでいけるように、サポートすることが本当の応援であると再確認できました。
「子どものために、やってあげている」のではなく、「自分がやりたいから、好きでやっている」という気持ちは大切にしたいです。好きでやっていることに、見返りは求めません。してあげていると思うから、結果という見返りに一喜一憂してしまうのです。
子どもの成長はびっくりするくらい早いですよね。うかうかしていると、子どもの成長に置いていかれてしまいます。子育ては楽しいことばかりじゃないけど、辛いことばかりでもありませんよね。子どもたちに、子育てを楽しんでいる親の姿を見てもらえるよう、精進します。
では、また
P.S. ほんと、良い本です「スポーツメンタルコーチに学ぶ!子どものやる気を引き出す7つのしつもん」
コメント
著者の藤代圭一です。書評とても嬉しいです。ありがとうございます!
僕たち大人も「いま」を楽しんでいきたいですねっ。
藤代様:
御本人からコメントを頂けるとは
嬉し過ぎて、信じられません
ありがとうございます
書評というほど立派なモノではなく
読書感想文に過ぎない記事で
お恥ずかしい限りです
著書に書かれていた内容をヒントに
少しずつでも子どもへの関わり方を見直すよう
自分自身へ「しつもん」している日々です
本当にありがとうございました