故郷にUターンしてから毎年、節分になると家に鬼が出ていました。四つんばいで無言のまま部屋に侵入してくる、とても怖い鬼だったのですが、今年は出てきませんでした。
子ども達が昨年末に続いてインフルエンザを発症したことも原因のひとつですが、それだけではありません。「あの怖い鬼はいらない、今年からは自分たちが鬼をする」と引退勧告を告げられたことが、最大の原因です。
節分には毎年、鬼が出ていました
マンション住まいであれば、変身する場所の問題もありますが、明るすぎて雰囲気が出ませんよね。私もマンションに住んでいる時には、かわいい鬼のお面をかぶって娘に豆をぶつけられていました。
ところが、Uターンしてから住んでいる実家は増改築を重ねた古い家屋。ちょっと怖い鬼に変身するスペースもあれば、雰囲気の出る暗さも十分あります。鬼の立体お面のペーパークラフトをネット上で見つけ、作ってみたのが下の写真の鬼です。
Canonの無料印刷素材集Creative Parkで提供されている立体お面:赤鬼です。ペーパークラフト初心者の私でも作れる、よくできた立体お面です。
お面をかぶり、フード付きの真っ赤なウインドブレーカーを着て、赤いシャカシャカパンツと赤い靴下を履いて、静かに子ども達のいる部屋に侵入する赤鬼。豆をまかれて退散するまで言葉を発することのない鬼は怖かったことでしょう。
ですがこの赤鬼、今年は出番がありませんでした。節分当日の午後、息子が高熱を出してしまったのです。今シーズン2度目のインフルエンザ祭りの始まりでした。
今シーズン2度目のインフルエンザ祭りが始まり、豆まきどころではなかった
節分当日の2月3日土曜日のお昼ご飯まで息子は元気にはしゃいでいたのですが、お昼寝の途中でいきなり熱が高くなり始めました。少しの時間で39度を超える発熱、昨年末に続いてのインフルエンザを疑いました。
高熱を出してぐったりしている息子の側で、娘と豆まきをしている場合ではありません。節分当日の豆まきは、当たり前に中止です。息子の熱が治まって、他の誰かが具合悪くならなければ日を改めて豆まきをしようと考えていました。
週明けの月曜日、息子の熱は下がり機嫌も良くなっていたのですが小児科を受診。念のためにインフルエンザの検査をすると、陽性の確定診断が出ちゃいました。「家族でインフルエンザ祭りにならないように」との願いもむなしく、翌日には娘が発熱。
昨年末の4人連続発症のように、続いて他の家族が発症しなかったのは幸いですが、今年の節分は豆まきどころじゃありませんでした。
でも実は、怖い赤鬼の引退は節分の前に告げられていたのです。
鬼の引退は、子どもの成長
節分の数日前から、子ども達は「私達が保育園で作った鬼のお面をかぶって鬼になるから、今年は怖い鬼さんが来ないよう言っておいて」と私とカミさんにお願いしていました。
保育園で節分の行事を終え、自分たちが作った鬼のお面を持ち帰った後は、子ども達は鬼になる気満々で楽しみにしていました。嬉しそうに「鬼になる」と言っている顔を見ると、怖い赤鬼は引退するしかありません。
「節分の鬼さんは怖い」と言っていた子ども達が、「自分たちで鬼をやる!」と言えるまで成長してくれたことを素直に喜びたい。私の鬼としての役目も、節分にだけ出番のある赤鬼のお面も、昨年が引退だったのです。
残念ながらインフルエンザを発症し、今年は節分の日に豆まきができなかったけど、何でもない日に豆まきをして、子ども達の鬼を見てみようと思います。
来年は、また違った鬼に出会えるでしょうから。
では、また