防衛大学校で身につけて、今でも役に立っていること3つ

一般世間とは隔離された空間である防衛大学校で身につけたことなんて、その中でしか通用しない特別な技術だから、外に出ればとても役に立つものではないと思うでしょう。確かに、防大でしか通用しないこともたくさんありますが、自衛隊とは全く関係ない生活をしている今でも役に立っていることはあるのです。

靴磨き

防大に入って身につけたことの中で、日常生活で最も役立っているのではないかと思えるくらい、靴磨きの技術は使い倒しています。一番良かったのは、靴を磨くことが面倒なことだとは感じなくなり、苦もなく磨けちゃうことです。

防大に入校した当初は、ほぼ毎日のように自分の革靴を磨いていました。別に、靴磨きが好きだから趣味でやっていたのではありません。服装の点検(容儀点検)に合格できないので、仕方なくやらざるを得なかったのです。

制服の点検は月曜日の朝に行われていたのですが、校章の光り具合や、制服のシワ残りと並んで、靴磨きでの不備(できていないと判断されること)で不合格になることは、防大1年生のあるあるです。

さすがに現在では、防大の頃のように自分の顔が靴に映るのではないか、という程までピカピカにはしませんが、短時間でそれなりに靴を磨く技術は残っています。特にサラリーマン時代には重宝しました。

アイロンがけ

アイロンがけも、防大に入校した当初は毎日のようにやっていました。何にアイロンをかけていたのかというと、訓練にも使うオリーブ色の作業服と呼ばれる服にアイロンがけしていました。

作業服も、日曜夜の点呼で服装の点検がありました。作業服の素材は厚手の綿で、当然ながら点検には洗濯したものを着用して臨みます。1年生の作業服はまだ新しく、綿の布地がこなれていないので固くてシワが取りにくいのです。上級生ともなると、長く使って柔らかくなっているので、簡単にアイロンをかけるだけでシワが消えてしまいます。

洗濯してシワだらけの固い作業着に、スプレー式の洗濯のりを鬼のように振りかけて、シワを完全に無くしてしまうまでアイロンをかけます。綿の作業着が垂直に立つくらいまで、カチカチに固くアイロンをかけて、シワにならないように着用します。

点呼前に着用している様子は、まるで出来損ないのロボットのようです。

そんなにまでしてアイロンがけした作業着ですが、点呼には歩いていくのでシワが寄ってしまいます。そして、結果的に「プレス不備!」と言われ、翌日もまた作業服のアイロンがけをすることになるのです。

さて、このアイロンがけが何の役に立ったかというと、サラリーマン時代のYシャツでした。形態安定のノンアイロンシャツならシワが気になることも少ないのですが、形態安定ではないYシャツの場合はアイロンが必要になります。

クリーニングに出せば解決するやんけ、というのは黙っておいて。

洗濯のりが効きすぎて、パリパリのYシャツが好きな人もいますね。私はシワは取れているけど着心地が柔らかい方が好みで、自分の好みに合わせた仕上がりにできるので、アイロンがけを身につけておいてよかったです。

簡単な裁縫(針仕事)

最後は、簡単な裁縫です。本当に簡単な針仕事ですが、イザという時に重宝しています。

防大では、制服や作業服のズボンのスソ上げを自分で縫って仕上げます。最初は、2年生の先輩にやり方を教えてもらうのですが、1度聞いたら後は自己処理です。見よう見まねで、何となくできるようになっていました。

簡単な針仕事っていうと、ボタン付けですね。このボタン付けは、防大を退校後の学生時代でも、独身でサラリーマン時代も、結婚した今でも自分でやっています。今なら、カミさんに頼めばやってくれるのですが、頼むよりも気が付いた時に自分でやった方が手っとり早いので、ついつい自分でやっています。

こうして列挙してみると、何だかせせこましい技術しか自分の中に残っていないようで、恥ずかしくなってしまいますね。もっとこう、男らしくドーンって感じのことの方がよかった気がしますが、実際に役に立っているのでよしとしましょう。

ここに挙げた3つのどれも自分でやっていないならば、おすすめは靴磨きです。くすんだ革靴を自分の手で磨いて光らせると、不思議と気分もリフレッシュしてきます。靴磨きしても気分がスッキリしないなら、相当に疲れているので休息が必要だというバロメータにもなりますしね。是非とも、靴磨きはやってみてください。

では、また

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