中小企業から大企業への転職-構造設計者ならあり得ます

現在進行形の話で、友人が中規模の設計事務所から超大手ゼネコン設計部への転職にチャレンジ中です。私も少しだけ相談に乗り、おこがましくもアドバイスなぞした中で感じたことをシェアします。

構造設計者なら大企業への転職があり得る理由

大企業から中小企業への転職は比較的よくある話だと思いますが、逆の中小企業から大企業への転職は、なかなか難しいと思われています。ですが、構造設計者ならあり得るのです。

大企業といえども景気の影響を受けないわけではありません。新卒採用者の人数も当然、景気に左右されます。私が新卒で入社したのは1999年、当時は就職超氷河期と言われており、同期入社の人数もバブル期の半分以下でした。それから20年弱、何が起きたか。

採用人数の少なかった世代が30代後半から40代前半になりました。景気は多少上向きになったものの、人材の流動性が高まったこともあり、中堅の後半からベテランの入口の構造設計者が不足する事態となってしまっています。

大学や大学院を卒業後、しっかりとしたキャリアを積んで技術力を身につけた構造設計者であれば、大企業への転職は大いに可能性があります。

大企業への転職はハードルが高いと思われる理由

とはいえ、構造設計者なら誰もが知っているような大企業への転職はハードルが高いと思われるのも理解できます。なぜハードルが高いと感じてしまうのか、実際はどうなのか。

ひとつには、企業文化の違いがあります。社員数が数百人規模の中規模の設計事務所からすると、数千人以上の社員がいる大企業は全然違う世界に見えています。果たして、あんな大きな会社でやっていけるのか。全てが役所的な手続き重視の企業文化だった場合は「しんどいな」と思うのも、うなずけます。

また、大企業の社員のレベルは相当高く見え、自分が果たして通用するのか自信がもてない場合もあるでしょう。自分では大したことない、と思ってしまうのが人情というものです。

ひとつめの企業文化、これは確かに存在します。しかし、企業文化は中小企業にだって存在するのです。その中で十分なキャリアを積んでこられたのであれば、多少の違いがあっても大丈夫です。しょせん、同じ構造設計の仕事です。建物規模の大小があっても、やることは基本的に変わりません。

ふたつめの社員レベルについて。外から見ていると、大企業の社員は皆さんレベルが高いと感じます。確かに、平均的なレベルが高いから誰もが知っている存在となるのですが、あくまで平均的なレベルです。個々人については、得意な分野があれば不得意な分野も当然あります。その中で、自分が勝負できる部分は必ず見つけることができます。

やる気があるならチャレンジしてみる価値はあります

大企業のゼネコンと中規模の設計事務所を経験することができたため、私自身は「どこでやっても同じ構造設計の世界やん」と思いますが、やる気があるならチャレンジしてみる価値はあると考えています。

自分の構造設計者としての能力を試したい、もっと大きな規模の建物に関わりたい、離婚して子供を一人で育てるために大きな企業で安心を得たい、動機が何であっても良いと思います。

今まで、しっかりとしたキャリアを積んでいて、構造設計者としての技術力があり、企業側の募集とタイミングが合えば、転職できる可能性は十分にあります。また、採用に至らなかった場合でも、単純に「縁」がなかったと考えれば落ち込む必要もありません。

もし入社して働いてみて、どうしても自分と企業が合っていない場合、中規模の会社への転職することも出来ます。大丈夫です、やらずに後悔するなら、やってから考えましょう。

では、また

2017/2/9追記

先日、転職活動だった友人から「無事に内定をもらえた」との連絡がありました。会社規模も企業文化も全く違う新しい組織で働くことに、最初は戸惑いがあったりストレスを感じることもあるかもしれまんせんが、ゆっくり馴染んでもらええれば嬉しいです。大丈夫だと思っていたけど、内定もらえて良かったです。

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