ダイニング床開口の転落防止用のフタの作り直し

故郷にUターンしてから、店舗兼住居である実家で生活しています。昔から我が家には玄関というものがなく、店舗から直接ダイニングに入る作りとなっています。ダイニングの入口には靴を脱ぐためのスペースがあるのですが、子供が転落しないように開口にフタをしています。

フタの天板が傷んできたので、新たに作り直しをしました。今まで使っていたフタの問題点や、造り直す際に気をつけた点を整理しました。

今までのフタの作成経緯と問題点

Uターンした時には、娘が1歳9カ月で息子はまだ生まれていませんでした。大人だけで生活している時には重宝していたダイニングの入口ですが、小さな子供には転落の危険しかありません。

引越し後に必要最小限の荷ほどきだけ済ませ、まず取りかかったことがダイニングの開口をふさぐフタの作成でした。いつ娘が落っこちてケガをするかを考えると、のんびりじっくり作っている場合ではありませんでした。

作成期間は2日ほど。とりあえず実家に転がっていた適当な板をサイズ合わせて切り、無いよりはマシっていう程度の補強だけして、油性ニスで仕上げて完成させたフタ。突貫作業で作成したフタを約4年間使っていました。

何が問題だったのか

今年の春あたりから、フタの上を歩くと少し嫌な音がすることには気付いていました。心なしか、板がフワフワとたわんでいるような感覚も感じてはいたのです。ある日、一応は確認しておこうと思ってフタを外して調べた結果、問題点は2つありました。

問題点その1

フタに使っていた板が化粧合板であったことが、問題点その1です。厚さがあって頑丈で、大きさの合う板であれば大丈夫だろうと考え、化粧合板を使ってしまいました。

化粧合板は強度としては問題なかったのですが、板の表面に薄い板が貼ってあります。フタの上を歩きますので角を面取りし、足に当たる感触を優しくしておかないといけません。この面取りした部分の表面の薄い板が、経年劣化ではがれてしまいました。

問題点その2

問題点その2は、板の裏側にほどこした補強でした。板だけでも割れることはないのですが、補強をしないとフワフワとたわんでしまうことは分かっていたので、裏側に補強をしていました。

突貫作業で、実家にある材料で間に合わせた補強材です。フタと補強の材質が違うことで、乾燥や湿気による伸び縮みの性質が違います。そんな補強材とフタを木工用ボンドとビスで強引に一体化させ、とりあえずフワフワしなければ良しという程度の補強になってしまっていました。

長年の使用と繰り返される乾燥収縮によって、強引に一体化させていた部分のビスが抜けてしまい、補強の意味をなさない状態になってしまっていました。

上記のようなことになってしまっては、放置しておくわけにはいきません。裏側の補強はすぐに深刻な事態には至らないとしても、表側の薄い板がめくれている状態は危険です。子供たちの足に突き刺さる可能性を考えると、そのままにしておけません。

ということで、フタの作り直しとなりました。今度は、以前よりは少し念入りに考えて作成しました。

作り直すにあたり、気を付けた点

今まで使っていたフタの不具合をふまえ、フタの作り直しにあたって気を付けた点は以下の3点でした。

その1:フタの表面にビス穴を見せない

以前のフタでは、補強材との接合に使ったビスを少し埋没させただけでビス穴はそのまま穴として表面に残していました。このビス穴が残った状態は、足に触れる感触や見栄えの問題ではなく、掃除の面でよろしくないことに使って初めて気付きました。

直径1cm弱のビス穴がフタの上にポツポツと並んでいる状態でしたので、使っているうちにビス穴にホコリが溜まってしまうようになりました。当初は綿棒などで掃除していましたが、やがてホコリが固まって取り除けず、不衛生な状態で放置。

今回の作り直しに際し、ビス止めではなくダボ止めにしてフタの表面をスッキリさせることも考えました。結局は、作業の手間がかかる割に得るものが少ないと判断してダボ止め案を却下し、ビス止めを採用。

ビス止めにするのであれば、ビス穴はきれいにふさいでホコリが溜まらないようにする必要があります。ビス穴に合う太さの丸い棒を薄くスライスし、ビス穴を埋めることとしました。分かりにくいですが、下の写真がビス穴を埋めた後の様子です。

その2:フタの板は1枚の板から取る

以前のフタ作成時には幅の広い板が手元になく、2枚の板を横に並べてフタを作成。強度的に問題はないのですが、どうしても2枚の板のつなぎ目ですき間や段差が出てしまいました。微妙なのですが、足裏で違和感を感じとれる程度のすき間や段差。

今回の作り直しでは段差やすき間が生じないように、フタの大きさに合った板を購入することにしました。近所のホームセンターでパイン集成材(幅400mm、長さ900mm、板厚18mm)を購入し、床の開口部に合わせて加工しました。

その3:頑丈な補強をし、フタと固定しすぎない

今回のフタに採用した板の厚さは18mmで、以前のフタ(19mm)とほぼ同じです。板だけでも割れることはありませんが、やはり補強は必要です。前回の教訓を活かしてしっかりした補強とし、なおかつ補強とフタを固定しすぎないことに注意しました。

具体的には、補強材だけで人を支えられる構成とし、フタと補強の接合には木工用ボンドを使わずビスだけで止める方法を採用。

少し大げさなくらいでいい、と作成した補強が上の写真です。

以上の3点に気を付けて、ダイニング上り口の開口をふさぐフタの作り直しを行いました。作成の工程は以下の手順となります。

1:手書きのラフな図面を作成し、寸法はきっちりと採寸。

2:開口に合わせてフタと補強を作成。

3:念のため仮組して、開口に合わせて確認。

4:フタと補強を微調整して仕上げ作業へ。

5:サンドペーパー100番で素地調整して水性ウレタンニスを塗布。

6:「サンドペーパーの番手を上げて磨き⇒水性ウレタンニス塗布」を更に3回実施。

7:最後にサンドペーパー1500番で仕上げ磨きをして完成

完成後の使い心地

下の写真が、完成したフタをダイニング上り口の開口に合わせた様子です。

完成したフタの使い心地は、全く問題ありません。子供が上に乗って飛び跳ねても、何も心配する必要がないほど頑丈です。寸法もきっちり納まり、素足で触れても何も引っかからず気持ち良いフタとなりました。

フタの色が少し白いですが、心配ないのです。仕上げに使った水性ウレタンニスは、透明タイプのものを使用しています。パイン集成材は時間が経つにつれ、いい感じで色がついてくるのです。2年も使っていれば、写真下半分の板のような色に落ち着いてきます。

これで、子供たちの足にはがれた板が刺さる心配をしなくてよさそうです。70代の両親と同居の家です、念のためフタの端にはスベリ止めも貼っておきました。

作業日数は、木材の加工に1日(5時間ほど)、仕上げの水性ウレタンニスの塗り重ねに2日(ニスの乾き待ちで間をあけて、1日1時間ほど)の3日間で完成。

費用は、フタに使う板を1500円で購入したのみです。補強に使った木材、水性ウレタンニス、ビスやビス穴ふさぎの丸い棒は、以前から家にあったもので足りました。

必要にせまられての木工仕事のDIYですが、たまにやると楽しいですね。

では、また。

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