新卒で入社した会社で自律神経失調症を発症し休職してから退職するまで

入社して4年目の初夏に、嘱託のカウンセラーを受けて休職することになりました。すぐに紹介された心療内科のクリニックに行くと、自律神経失調症の診断を受け薬を処方されました。この時点では復職云々のことはほとんど考えられず、ただ休めることでホッとしていました。まさか復職と休職を繰り返し、結局は退職することになるとは考えもしませんでした。

休職中は月に1度だけカウンセリングを受けに出社

休職期間中は、月に一度だけカウンセリングを受けに出社していました。カウンセラーの先生から「しばらくはカウンセリングに来ても元の部署に顔を出したりしない事」を最初に告げられました。同僚が働いている姿を見て、休んでいる事が悪いことだと思うと、良くなるもの良くならないという理由です。

私は当初、病気っていっても怠け病みたいな状態やし、休んでることが当然なんて思えるわけないやんって思っていました。それでも、カウンセラーの先生の言うとおりに部署には顔を出さずにカウンセリングだけ受けて帰っていました。

実はこのカウンセリングすら行けない、行こうとはするんだけど体が重くて起き上がれない事も何度かありました。もう会社に向かって電車に乗ることすら出来ない状態だったのです。

日常生活の記憶は断片としてしか覚えていない

カウンセリングに行く時以外の日は、独り暮らしのマンションで過ごしていました。彼女が近所に住んでいたので、ちょくちょく寄ってはくれていたのですが、昼間は完全に独りでした。元来、読書や映画が好きだったのですが、この時期は本が読めない映画をレンタルしても見れない状態でした。読もうとはするけど2ページ読めれば良い方で、集中力が全く続きませんでした。

彼女が休みの時には、調子が良ければ一緒に出かけたりもしていました。少しマシな時の記憶は割と鮮明に覚えているのですが、日常生活の記憶は断片的にしか記憶にありません。近所の公園のベンチで、昼間からボーッと座っていたりしました。

今思えば、彼女は何であんな状態の私と別れなかったのだろう?別れないどころか、休職→復職→休職→復職を繰り返す間も支えてもらい、しかも退職して無職になってもそばに居てくれた彼女=今のカミさんには感謝してるし尊敬してます。

休職している事に焦り、復職を急いでしまった

フヌケのような生活でも、続けていると確実に体調が戻ってきたことを実感できるようになったのは休職して3ヶ月以上経過してからでした。私がカウンセリングで「だいぶ体調が良くなってきました」と言うと、カウンセラーから「まだまだ、ゆっくり休みなさい」と言われていました。

まだ休めと言われても、自分としては結構良くなったと感じていたし、何より休み続けていることで仕事に戻れないような気がして焦るようになってきました。私自身の復職したいという意志を通す形で4ヶ月程の休職期間の後に復職しました。

何を焦っていたのだろう、同期に遅れることか?同期どころか後輩に経験で追い抜かれることが怖かったのか?ちょっと調子が上向きになったから調子に乗るんじゃない。きっちりと快復するまで治しきる、仕事なんかそれからだ、って思えなかったんだよな~

最低の状態からは抜け出したけど、本調子ではなかった

復職してからほんの少しの間は、きちんと出社し勤務出来ていました。当時は設計部のスタッフ的な部署に在籍していたので実施物件の設計はほとんどなかったのですが、たまたま入った超高層マンションの設計を部署の先輩達と担当したりもしていました。

私の状態としては最低のレベルを抜け出してはいたと思いますが、それもちょっと上向きになった程度でした。最悪の時は、駅のホームの端を歩くのが自分でも怖かった。何かの拍子にスーッと体が線路の方に倒れそうな感覚があって、常にホームの真ん中を意識して歩いていました。

結局、復職して2ヶ月ほどでまた起きられなくなってしまい、再度の休職となりました。焦って復職して、実は本調子に戻っていなかったのだから、今度はじっくりと腰を据えて休まないと同じことの繰り返しになるのは当たり前ですよね。

でもやっぱり焦ってたんです、今度は半年程の休職後に復職しました。結果、また休職。

新卒で入社した会社を退職となって後悔しているか?

何度目かの休職→復職の後、今度は大丈夫そうだと自分も周囲も感じていた時、夏風邪をこじらせて1週間休んでしまいました。当時の会社の規定では

「同一の病気による休職期間は通算で2年間。復職後3ヶ月以内で同一の病気による1週間以上の病欠は休職期間に加算する。」

となっていました。私自身も周囲の上司、先輩、同僚も「同一の病気」ではないと思っていたのですが、人事部はそうは考えていませんでした。夏風邪が治まって出社したその日

「残念ですが、休職期間を使い切ったので明日付けで退職となります。引き継ぎが必要な仕事は本日中に整理し、個人の荷物は自宅へ発送できるようにしておいて下さい。」

と人事部から通告されてしまいました。実はこの時、何としてでも会社に留まろうという気はありませんでした。最後の復職中も、正直に言うと万全の状態で働けているわけでもなかったし、気持ちの上ではすぐに整理がつきました。

逆に休職期間の2年間、働いてもいないのに生活できる程度には休職手当と傷病手当を給付されていたことに感謝したいくらいでした。

退職してからどうするか、どうなるかは不安といえば不安でしたが、とりあえず休んで心身をもう一度メンテナンスしてから再出発するしかないと感じていました。

新卒で入社した会社で、おそらく日本でトップクラスの構造設計者が集まっているゼネコンでした。後悔が無いと言えばウソになりますが、それほど悔やんではいません。それより、優秀な構造設計者と同じ空気を吸って、同じ土俵に上がることができた経験に感謝しています。

では、また

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