昨年(2015年)、近所の親戚宅で茅葺き屋根の葺替えを行いました。葺替え工事の様子を記録した写真をスライドショーにしたものが下記の動画です。
こちらは工事前の写真です
この家では約40年ぶりの屋根の葺替えとなります。通常は20~30年程度で葺替えるようですので、屋根もだいぶ傷んでいました。軒下までステージ足場を組んで、茅葺き職人さんが屋根の状態を確認してから工事が始まりました。
今回は、茅を全て入れ替えるのではなく、傷みの激しい茅を新しい茅と入れ替える工法での葺替えとなりました。屋根の表面は傷みが激しいように見えますが、内側の方ではまだ使える茅が残っていたようです。ちなみに前回の40年前には、全て茅を入れ替えたそうです。
工事が始まった直後の写真です。傷んだ茅を取り除き、新しい茅を差し込んでいる様子です。
下の写真でも分かるように、丸太を横に流して作業用の足場としています。古い茅と新しい茅の色が全然違いますね。
妻側からの写真です。右側が新しい茅の差し込みがほぼ終わった部分で、屋根の厚さがかなり違うことが分かります。以前の屋根はこんなにやせていたんですね。
雨降りの日には作業中止となってしまいますので、工事開始から約14週間で屋根全面の葺替え工事が終わりました。
竣工後の姿が以下になります。工事前の写真と見比べるとまるで別の建物のように綺麗で立派になりました。
昔は私の住んでいる地域でもよく見かけた茅葺き屋根ですが、今ではほとんどがトタン葺きにしてしまっています。茅葺き職人さんの数も少なくなっているようなのですが、
茅葺き屋根の葺替え需要>茅葺き職人の数
となっており、茅葺き職人さんは大変忙しい状況のようです。
たかが屋根の葺替え工事ですが、田舎であれば小さな家が建てられる程の費用がかかることもあり、いつまで茅葺き屋根を残せるのか…施主である叔父と叔母は「まぁこれで終わりかな~」と笑っています。
茅葺き屋根の葺替え工事を間近で、工事中は毎週見られる機会なんてあまり無いことなので、良い経験をさせてもらいました。
では、また